ビールのスタイル
ラガー
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ピルスナー/ペールラガー
色はディープゴールドから薄い黄色で、白色の泡。日本に置けるいわゆる“スタンダードなビール”です。
若干の差はあるが、概ねスッキリとしたのど越しと切れの良いホップの苦みが特徴。
アルコール度数も5%前後と低いものが多く、乾いたのどを潤すのに最適。
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シュヴァルツ
色は真っ黒だが、下面発酵ならではのシャープでスッキリとした口当たりが特徴。
ロースト感やホップの苦み香味は控えめで、モルトの風味が感じられる。
「軽やかな黒ビールが好き」という方にお勧めのスタイル。
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ウィンナラガー/メルツェン/ボック
ウィンナラガー/メルツェンは、ディープゴールドから褐色の液体色で、しっかりとしたボディが特徴。ドイツのオクトーバーフェストで飲まれるオクトーバーフェストビアもこのスタイル。濃厚な麦芽風味と控えめなホップ、やや高めのアルコール度数が多い。
ボックは、淡色から真っ黒まで様々で、色によってさらに細かくヘレスボックやドゥンケルボックなどに分類できる。ハイアルコールビールならではのドッシリとした飲み口が特徴。ホップのキャラクターは控えめで、概ねモルトの風味が強い。
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ドゥンケル/ラオホ
ドゥンケルの色は、ライトブラウンからダークブラウン。カラメルモルトやローストモルト由来の香ばしい甘味やロースト香が特徴で、ホップの香りや苦みは控えめ。見た目は濃色だが、ラガー酵母を使うためスッキリとした飲み口。
ラオホは、スモークした麦芽を使用しているため、スモーク香が非常に特徴的な濃色ビール。ベーコンやウィンナーなど燻製との相性が抜群。
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フルーツラガー
さまざまな果物を使用したラガービール。
ビールによってはフルーツの味だけではなく、色や香りにも特徴が現われる。またそのキャラクターの強弱やアルコール度数もビールによって多種多様。
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スペシャリティラガー
既存のビアスタイルにとらわれない、自由な発想で作られたラガー。
野菜や各種スパイスなど特殊な原料を使用したり、伝統的なスタイルに囚われず通常は組み合わせない原料を組み合わせるなどして造られたビール。造るブルワリーの個性がよく現れるビール。
エール
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ペールエール/ゴールデンエール
ペールエールは明るい銅色のビールで、酵母由来のフルーティーな香りとホップの香味苦味が特徴。
ゴールデンエールはペールエールより色が薄く、その名の通り黄金色をしておりペールエールよりスッキリとした味わい。両者ともイギリス産のホップを使用したイングリッシュスタイルと、アメリカ産ホップを使用したアメリカンスタイルに分けられる。イングリッシュスタイルは紅茶や刈り草のような香り、アメリカ ンスタイルは柑橘を思わせる香りが特徴。
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セッションIPA/IPA/WIPA
IPAはインディアペールエール(India Pale Ale)の略。インドがイギリスの植民地だった時代、イギリスからインドへ輸出する長い航路に耐えるために、アルコールを高めてホップを大量に使ったペールエールが発祥。高いアルコール度数とホップの鮮烈な香り、強烈な苦みが特徴。
W-IPAはIPAから進化したスタイルで、IPAよりもさらにアルコール度数、苦味、甘味、香りを強化したインパクトのあるビール。
セッションIPAも近年IPAから進化したスタイルだが、W-IPAとは逆に、アルコール度数が5%以下と低い。気温が高めの日や最初の一杯、アルコールに弱い人にも最適。
いずれも、使うホップによってイングリッシュスタイルとアメリカンスタイルに大別される。
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ニューイングランドIPA/ヘイジーIPA
ニューイングランドIPA(NEIPA)は米国北東部のニューイングランド地方が発祥の、霞がかったビール。「ヘイジー(HAZY)IPA」と呼ばれることも。2017年頃から流行が始まった。
オレンジやマンゴー、トロピカルフルーツのような香りのホップが多用され、ジューシィな味わいが特徴。苦味は通常のIPAよりも控えめ。ソフトな口当たりを実現するために、小麦麦芽やオーツ麦などを使うことも多い。
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スタウト/ポーター
液体の色は、どちらも濃いブラウンから光を通さない黒までと色が濃く、おおむね豊かなコクがあるビール。ポーターは焙煎した麦芽を使用しているためロースト香や酸味が感じられ、上面発酵ならではのフルーティさも兼ね備えている。
ポーターから進化したスタイルがスタウトで、麦芽化していない大麦を焙煎して使う点が異なる。さらに細かくスタイル分けすると、スッキリとした味わいのドライスタウトや、アルコール度数や苦味、甘みを強化したインペリアルスタウトなどに分けられる。
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ヴァイツェン/ヴァイセ/ウィートエール
通常ビールに使われる麦は大麦だが、このスタイルは小麦を使用している。
南ドイツ発祥のヴァイツェン、ヴァイセは小麦のタンパク質と酵母がそのままビールに残っている為、白濁した明るい黄金色で、酵母由来のバナナやクローブを思わせるフルーティーでスパイシーな香りが特徴。ホップのキャラクターはほとんど感じられない。
なお、ヴァイツェンとヴァイセの違いは小麦の使用比率による。ウィートエールはヴァイツェンなどに比べると酵母の香りは穏やかで、ホップの香りや苦みなどでビールのキャラクターを作っている物もある。
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ブラウンエール/マイルドエール
イギリスのホップが効いたペールエールに対抗して生まれたスタイル。
色は深いブラウン、ホップのキャラクターは控えめで、モルトの豊かな風味を感じられる。アルコール度数も若干低めの物が多く、その名の通りマイルドな飲み口のものが多い。使用するホップによってイングリッシュスタイルとアメリカンスタイ ルに大別される。
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アンバーエール/アルト
アンバーエールはアメリカ、アルトはドイツ発祥のビール。
共どちらのビールも銅色から琥珀色で、カラメルモルト由来の深いコクや酵母の作りだすフルーティーな香りが特徴。アンバーエールはアメリカ産のホップを使用し、しっかりした苦味とコクがある。
アルトには欧州産のホップを使用し、苦味は比較的穏やかで飲み口はシャープ。
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ケルシュ
ドイツのケルン発祥のスタイル。薄い黄金色で見た目はピルスナーのようだが苦味やホップの香りは控えめで、酵母由来の白ワインを思わせるようなフルーティーな香りが特徴。
上面醗酵酵母を使用しているが、低温で発酵させるハイブリットスタイルのためスッキリした飲み口が特徴。
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バーレイワイン/オールドエール
バーレイ=大麦から造られたワインのように濃厚なビール。ワインという単語が含まれるが、ブドウは一切使用されておらず麦芽とホップから造られるれっきとしたビール。
ワイン並みのハイアルコールで、濃厚なボディとドライフルーツを思わせるような香りと超長期熟成で造られるのが特徴。ゴクゴクと一気に飲むのではなく、一杯に時間をかけじっくり飲むビアスタイル。使用するホップによってイングリッシュスタイルとアメリカンスタイルに大別される。
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セゾン
発祥は、ベルギー南部の農家が夏の繁忙期に飲むのを目的とし、農閑期である冬に仕込んで造っていたビール。大まかな特徴としては、長期保存のために多く使われるホップの芳醇な香り、果物のようなフルーティさ、スパイスやハーブのニュアンス、軽い酸味を持つなどした、清涼感のある飲み口が多い。
季節限定だったセゾンがベルギー以外でも飲まれるようになると、世界中にセゾン人気が広がり、世界各地で独自の解釈を持つセゾンが造られるようになった。
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ベルジャンスタイルエール
ベルギー発祥のビアスタイル、または個性的なベルギー酵母を使用したエール。
コリアンダーシード、オレンジピールなどを使用したベルジャンウィートや、修道院で造られるトラピスト、淡色で非常にアルコール度数の高いトリプルなどがある。一般にベルギー酵母はフルーティーでスパイシーな個性的なフレーヴァーを出す物が多い。
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フルーツエール
さまざまな果物を使用したエール。ビールによってはフルーツの味だけではなく、色や香りにも特徴が現われる。
またそのキャラクターの強弱やアルコール度数もビールによって多種多様。
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スペシャリティエール/その他のエール
スペシャリティエールは、既存のビアスタイルにとらわれない、自由な発想で作られたエール。
野菜や各種スパイスなど特殊な原料を使うなど、伝統的なスタイルに囚われず、通常は組み合わせない原料を組み合わせたりする。ブルワリーの個性が現れやすい。
その他の発酵様式
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サワーエール/ランビック/天然酵母ビール
ランビックはベルギー、サワーエールはアメリカで造られる非常に酸味の強いビール。
野生酵母や乳酸菌、酢酸菌なども発酵に関わっており、長期熟成させることにより非常にドライな飲み口と酸味が産まれる。ランビックにフルーツを漬け込んだフルーツランビックなどもある。
天然酵母ビールは、自然から採取した野生酵母を使用したビール。味わいは酵母によって様々。培養されたビール酵母にはない、個性的な香りやフレーバーを持つ。